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2013年8月のお知らせ一覧
2013.8.26 | ミントの会

「ミントの会」7月の集いを開催しました

「ミントの会」7月の集いを開催しました
「ミントの会」7月の集いを開催しました

 7月20日、札幌ことに乳腺クリニック患者会「ミントの会」を開催しました。
 今回は増築で広々としたスペースを確保した札幌ことに乳腺クリニック待合ロビーを初めて会場に使いました。
 堀田美紀看護師が「術後のリハビリと自己検診」、白井秀明部長は「超音波検査のお話-専門クリニックの取り組み-」、そして浅石和昭理事長による「乳癌術後定期検診の意義」と題した講演とグループ懇談が行われました。

 堀田看護師(乳がん看護認定看護師)は、手術後すぐの時には腕が挙がったのに数年して腕が挙がらなくなってきたという患者さんが意外と多いとして、術後に肩関節の可動域制限を生じる要因とリハビリについて説明。
 術後創部痛、皮膚のひきつれ感、放射線治療後の温存乳房拘縮、肩関節周囲筋の緊張、加齢による肩関節周囲組織の老化、さらに肩関節周囲炎の併発、心理的要因を挙げました。また、リンパ浮腫や手術した側の腕を日常生活の中であまり負担がかからないようにとの思いで大事にすることで、逆に挙がりを悪くしてしまうこともあると指摘しました。
 入院中は大丈夫と思っていても、退院後に生活の不便を感じる患者さんは少なくなく、皮膚や組織の瘢痕化により手術後数か月してから肩関節の可動域制限が生じることもある、としてリハビリテーションの大切さを述べました。
 どこまで機能を維持・回復できればリハビリテーションのゴールとなるのか、という質問も多いことから、術前の可動域に戻ることが理想だが、両腕で万歳ができて肩関節が回せる、家事が不自由なくできること、などを目標にすることを勧めました。
 リハビリの継続については「無理せず、休まず、少しずつ」として、どのような手術を受けたかにより3か月から半年のリハビリ期間が一つの目安と説明しました。
 この後、具体的にリハビリの動作や運動を実地解説し、注意点についても説明。リハビリを日常生活の中に取り入れて実践することの大切さを話しました。
 自己検診の方法については、自己検診を行う適切な時期、方法とチェックするポイント、異常所見の判断の仕方など、具体的に解説。
 早期発見のために、「入浴時に乳房は手で洗う」「ブラジャーをつける際に意識してみる」「張っている時と、張っていない時の違いを覚えておく」「乳がんの情報を見聞きした時に触ってみる」ようアドバイスしました。

 白井部長は専門クリニックとして、超音波検査がどのように利用されているのかをわかりやすく解説しました。
 マンモグラフィは乳腺量の多い人の場合、比較的映りにくい、撮影方法(ポジショニング)により死角ができる、などの課題があることをはじめに述べました。マンモグラフィーの画像と超音波画像を多数例に挙げ、超音波検査の優れた特徴を紹介しました。
 超音波検査の使われ方として、1)検診で指摘された人の精密検査、2)主訴があり、来院された方の精密検査、3)手術の術式選択やその切除範囲の決定、4)薬物療法などの効果判定、5)手術術後の経過観察、と説明。
 検診では超音波検査で乳がんを疑う所見をできるだけ効率よく指摘することを目的に使用。精査のための超音波検査では、要精査とされた人の良性・悪性の鑑別から、組織型推定、精査内容の絞込みを行うことを目的として使用される、と説明。乳房温存術後の経過観察では、局所再発の94%が超音波検査による発見であつたとの実態を述べました。
 また、触っても分からない病変に対しても超音波ガイド下で穿刺吸引細胞診を行えるなどの利点を紹介し、MRI画像と3D超音波画像を対比して、超音波の方が分解能が高いことも示しました。
 精密検査を行う施設では、超音波検査が診断から治療まで、欠かせない検査であると述べ、痛みも無く安全で、誰でもが受けられるのが超音波検査であると話しました。

 浅石理事長は乳がん術後定期検査は、後遺症、薬剤の副作用、再発の発見に意義があると説明しました。診断に使うマンモグラフィー、超音波検査、穿刺吸引細胞診、針生検、MRI、病理などを実際の画像を用いて解説。
 治療についても手術療法、放射線治療、化学療法、内分泌療法、分子標的治療薬を取り上げ、それぞれ解かりやすく紹介しました。
 日本では乳がん予防を目的とした医療は許可されていませんが、BRCA1またはBRCA2の遺伝子異常における生涯発生率は乳がんが45から87%、卵巣がんで27から44%あり、予防効果は乳房切除で95%、タモキシフェン内服が50%、40歳前の卵巣切除は50%であるなど、注目の話題についても提供しました。
 乳がんの予防は一次予防として、1)閉経前は適度な運動を習慣化、2)閉経後は適正体重の維持、3)アルコール摂取を控える、4)動物性脂肪の摂りすぎに注意し、野菜・果物・大豆食品を摂取する。二次予防は、1)高危険群相当者は定期健診、2)自己検診の習慣化、とアドバイスしました。

※ 札幌ことに乳腺クリニックでは、当クリニックで手術を受けた患者さんを対象に「リンパ浮腫外来」を開設しています。緩和ケア研修会修了の三神医師、増岡医師が担当し、両医師の指導のもと、リンパ浮腫セラピストの八城主任看護師がケアを担当。完全予約制で実施しています。
 緩和ケア研修会とは、国が定めた開催指針に基づく研修会で、正式には「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修」といいます。「がん性疼痛緩和指導管理料」「緩和ケア診療加算」「緩和ケア病棟入院料」「がん患者カウンセリング料」については、緩和ケア研修会を修了した医師が治療に携わることが必須の算定条件です。 なお、「リンパ浮腫指導管理料」は医師又は医師の指示に基づき看護師又は理学療法士が、リンパ浮腫の重症化等を抑制するための指導を実施した場合に、入院中に1回算定。入院中に同指導管理料を算定した患者に対して、退院後、同じ医療機関(がん治療連携指導料を算定した場合は、地域連携診療計画に基づいた治療を担う他の保険医療機関)で、退院した日の属する月又はその翌月にリンパ浮腫の重症化等を抑制するための指導を再度実施した場合に、1回算定できるものです。リンパ浮腫外来はこうした算定条件とは異なる扱いではありますが、診療報酬制度上の条件を鑑み、当院で入院・手術を受けられた患者さんのみに限定してリンパ浮腫外来を行っておりますので、他医療機関で手術を受けられた患者様には恐縮ではございますが、手術を受けられた当該の医療機関にお問い合わせください。

札幌ことに乳腺クリニック患者会「ミントの会」は、次回10月5日(土曜日)に開催いたします。会場は札幌ことに乳腺クリニックとなります。
 詳しい内容が決まりましたら再度お知らせいたします。まだご入会でない患者様はぜひ、入会をご検討ください。

2013.8. 1 | お知らせ

8月の診療と休診日のお知らせ

8月の診療及び休診についての変更をご案内します。
8/10(土)は第2土曜(休診日)となっておりますが、土曜診療を行います。
8/12(月)、8/13(火)は休診日とさせていただきます。
変更に関連する診療と休診日は以下の通りです。
この他の日程に変更はございません。ご理解とご協力をお願いいたします。

8/10(土)=午前診療(午後休診)
8/11(日)=休診
8/12(月)=休診
8/13(火)=休診