2013.1.28 | お知らせ
山崎副院長が日赤看護大学教授に内定
当院、山崎弘資副院長が日本赤十字北海道看護大学(北見市)の臨床医学領域教授に内定しました。
山崎副院長は当院で長年、実践に基づいた学術的研さんを重ね、抗がん剤治療のガイドライン作りをはじめとした社会に貢献する成果を収めたほか、各種研究論文の執筆や学会・研究会等での発表も積極的に行ってきました。今回、そうした活動や研究成果が高く評価され、同大学教授に内定いたしました。
平成21年11月には、札幌で第19回日本乳癌検診学会総会を浅石和昭理事長が総会会長として開催するなど、当院における実践的な学術的活動は乳がん領域で国内に広く知られるところとなっており、各医師・検査部スタッフ等による著作論文の多くに当院の理事長・院長・副院長・検査部・当院協力医師・医療機関が互いに共同研究者として名を連ねております。こうした学術活動と研究の成果は当院の日常診療に活かされており、今後も患者さん本意の最善の治療を提供できるよう努力と研さんを重ねてまいります。
山崎副院長による当院での診療は4月上旬までとし、5月1日付けで同大教授発令となる見通しです。診療予定や外来診療の担当医師に変更がある場合は本ホームページ及び院内でお知らせいたします。
2013.1. 2 | お知らせ
講演会「-自分と家族を守るために‐学んで知ろう乳がんの話」開催しました
新年あけましておめでとうございます。本年も当院をどうぞよろしくお願いいたします。
札幌ことに乳腺クリニック講演会「-自分と家族を守るために‐学んで知ろう乳がんの話」を2012年12月1日に開催いたしました。約300人のみなさまにお集まりいただき、今回も充実した講演会となりましたことをご報告させていただきます。
当日はピアニスト・遠藤郁子さんのピアノ&トークショーを楽しんでいただいた後、森本忠興四国中央病院院長の基調講演「新しい考えに基づく乳癌の治療」とパネルディスカッション「この患者さんの治療法は?先生ならどうしますか」を行いました。
以下に森本先生の基調講演から、簡単にご紹介します。
始めに乳がんの診断・治療の歴史的な流れ、がんの罹患率・死亡率などを解説され、「今は無症状の乳がんが増えている。無症状のがんを発見するにはマンモグラフィーが役立つ。MRIやCT、PETを含めて診断が進歩している」と述べ、検診の重要性や早期発見の大切さに触れました。
次に乳がんは全身病であり、局所療法から全身療法へと治療の考え方が変化していることを説明。全身療法と局所療法を組み合わせていくことが大原則としたうえで、現在は初期治療と補足治療という考え方に立ち、「初期治療は診断した時点で行うもので、補足治療はがんの再発・転移がある場合に行うもので100パーセント治療というのは難しが、初期治療の段階で全身療法と局所を組み合わせていく。局所というのは手術と放射線のこと」と解説しました。
手術については、「温存と切除を比べると生存率は大して変わらないことがわかった。センチネルリンパ腺に転移があると郭清するが、なければリンパ節の郭清もしないのが現状」と体へのダメージが小さい方法で治療が進められていくようになってきたことを紹介しました。
全身療法として行われる薬物療法は、再発に非常に大きく関係するため重要であるとし「化学療法は手術の前にやったのと後にやったので再発に差がないことも分かってきた。私は今、手術の前にやって小さくしてからとるようにしている。ホルモン療法も今や多様な選択肢がでてきている」と述べ、がんのタイプにより薬物が選択されて使用されていることやホルモン療法についても詳しく説明されました。
最後に今後の薬物療法の動向や可能性などに触れ、薬物治療は進んでいくと話し、改めて検診の重要性について解説。「日本の死亡率を下げるためには、ちゃんとした初期治療を受けることと検診が大切」と結ばれました。
検査技術をはじめ、診断・治療はどんどん進歩していきますが、やはり早期発見が大切です。ぜひ検診を受けるよう心がけてください。